看護師の評価は上司との相性で決まる|残って後悔するか、動いて後悔するか
本記事はPRを含みます
看護師の評価は、本人の働きぶりだけでは決まりません。その職場が何を評価するかという価値観と、直属の上司との相性で、扱いが大きく変わります。
私は看護師として5回転職しました。前の職場では上司との相性が良かったこともあり、院内の感染対策を7年担当し、学会発表の機会ももらいました。ところがその実績は、転職の面接で一度も掘り下げられませんでした。経験年数についても、割り引いて計算すると面接ではっきり伝えられています。精神科が長いからという理由でしたが、同じ精神科の職場を受けたときも、長く勤めている職員と同じ給与にはならないと言われました。
同じ実績が、場所によってここまで扱いを変えます。
この記事では、看護師が評価されない理由を、職場の評価軸という視点で整理します。評価軸には大きく2種類あり、自分の強みと噛み合っていないだけということが起こります。いま自分の職場がどちらなのかを見極める方法もあわせて書きます。
評価する側の価値観も、上司との相性も、自分では変えられません。変えられるのは、どこに身を置くかだけです。
看護師が評価されない理由は、職場の価値観と上司との相性で決まる

評価されないと感じるとき、多くの人はまず自分を疑います。技術が足りないのか、要領が悪いのか、もっと勉強すべきなのか。
ただ、評価というのは自分の中で完結するものではありません。誰かが見て、判断して、初めて成立します。そして見る側には、その人なりの基準があります。
評価されないのは、自分のせいなんでしょうか。

そうとは限りません。評価は見る側の基準で決まるので、能力とは別の理由がつくことがあります。

同じ働き方でも、評価する側が変われば扱いが変わる
私は5つの職場を経験しましたが、働き方そのものを大きく変えたことはありません。それでも、評価のされ方は職場ごとに違いました。
ある職場では機会が回ってきて、担当を任されました。別の職場では、同じことをしていても特に何も起きませんでした。自分の中身が入れ替わったわけではありません。見る人が変わっただけです。
上司が引き上げるかどうかで、機会の量が変わる
評価の入口は、直属の上司です。委員会に推薦するのも、担当を任せるのも、人事の場で名前を挙げるのも上司の判断になります。
ここで起きているのは、能力の判定だけではありません。一緒に仕事がしやすいか、方針を理解してくれるか、任せて心配がないか。そうした部分が、実際にはかなりの比重を占めています。
裏を返すと、上司と噛み合わなければ機会そのものが回ってきません。能力を示す場面がなければ、能力は評価されようがない。評価されないというより、評価の土俵に上がれていない状態です。
看護師の評価軸は職場によって違う
評価のされ方が職場ごとに違うのは、上司個人の好みだけの話ではありません。職場そのものに、何を評価するかという基準があります。
私が経験した中で、対照的だった2つの職場があります。
仕事を見る職場は、早さと正確さと勤怠を評価する
ひとつ目の職場で重視されていたのは、決められた仕事を早く正確に終えることでした。そして、突発的に休まないこと。
この職場では、やったことがそのまま評価につながりました。時間内に業務を終える人、記録に漏れがない人、シフトに穴を空けない人が信頼されていきます。分かりやすい基準です。
裏を返せば、どれだけ知識があっても、仕事が遅ければ評価されません。突発的な休みが続けば、理由に関係なく信頼は下がります。
人を見る職場は、役職者との関係と配慮を評価する
もうひとつの職場は、まったく違いました。ここで重視されていたのは、役職者と価値観が合うこと、役職者への配慮ができることです。
看護技術については、一定のレベルがあれば十分という扱いでした。それ以上に専門性を高めても、評価が上がるわけではありません。求められていたのは技術ではなく、組織の中での立ち回りでした。
この基準を不合理だと感じる人もいると思います。ただ、実際に中にいると、これはこれで機能していました。
価値観の近い人が役職に就くため、上司同士の対立が起こりにくく、方針がまとまりやすい。癖の強い人が上に立ちにくいので、極端に相性の悪い上司に当たる確率も下がります。上司との相性で扱いが変わる以上、これは働く側にとって小さくない要素です。
もちろん全員がそうというわけではありませんが、マネジメントという意味では合理性があります。
人を見る職場は、良くない職場なんでしょうか。

そういう話ではありません。基準が違うだけで、実際に中にいると、これはこれで機能していました。

自分の強みと評価軸が合っていないだけのことがある
つまり、評価されないという状態には、能力とは別の説明がつくことがあります。自分の強みが、その職場の評価軸と噛み合っていないだけ、という可能性です。
これは自分の努力では変えられません。評価軸を決めているのは職場の側だからです。

評価されない状態が続くとき、確かめておきたいこと
いまの職場がどちらの評価軸かを見極める
自分の職場がどちらの評価軸で動いているかは、実は簡単に確かめられます。役職に就いている人を見ればいい。
役職者は、その職場が評価した人たちです。何が評価されるのかを知りたければ、すでに評価された人を見るのが一番早い。求人票にも、就業規則にも、そこは書いてありません。
見るところは、たとえばこういう点です。
- 仕事が早く、正確な人が多いか
- 上と摩擦を起こさない人が多いか
- 学歴や年齢に共通点があるか
- 専門性の高い人が役職に就いているか
早くて正確な人が並んでいるなら、その職場は仕事を見ています。上と噛み合う人ばかりなら、人を見ています。
私がいた職場では、役職に就いていく人に共通点がありました。大卒の人が多かったこと、年齢が40代前後だったこと、物腰が柔らかく教養があると見られていたこと、患者とも上司とも摩擦を起こさない人だったこと。私が知る限り、看護技術の高さや資格は、そこに入っていませんでした。少なくとも、引き上げられた理由として語られることはありませんでした。

自分の強みがどちらで活きるかを整理する
評価軸が分かったら、次は自分の強みと照らします。
仕事の速さや正確さ、記録の丁寧さ、勤怠の安定。これらが自分の強みなら、仕事を見る職場の方が評価されやすい。
人との調整、場をまとめること、上の意図を汲むこと。これらが得意なら、人を見る職場で機会が回ってきます。
ここで噛み合っていないと、努力の方向が評価につながりません。技術を高めても、それを評価しない職場では変わらない。逆も同じです。
自分が悪いわけでも、職場が悪いわけでもありません。ただ、噛み合っていないだけということがあります。
積み上げた実績は、そのまま持ち越せるとは限らない
もうひとつ、知っておいた方がいいことがあります。いま積み上げているものが、次の場所でそのまま評価されるとは限りません。
私は転職の面接で、職務経歴書に書いた担当業務や資格について、詳しく聞かれたことがほとんどありません。書いてあることの確認はされますが、その先には進みませんでした。
経験年数についても、そのままでは計算しないとはっきり伝えられたことがあります。精神科が長く、総合病院では経験の活用が限定的だと判断されたためです。実際にそうだと思います。不当だとは感じていません。16年の経験が、16年分としては見られなかったということです。
ただ、これは領域が違う場合だけの話ではありませんでした。同じ精神科の職場を受けたときも、長く勤めている職員と同じ給与にはならない、差はつけると面談で言われています。
領域が同じでも、外から来た人は同じようには扱われない。積み上げてきたものが評価されるかどうかは、そことは別のところで決まっている。そう受け取りました。
それでも、提示された年収は前の職場を上回っています。
評価は、こちらが積み上げたものだけでは決まらないということだと思っています。
どの職場が何を求めているかは、外から見ただけでは分かりません。私が実際に転職サービスを使ったときに何が起きたかは、別の記事に記録しています。
ナースJJの評判を転職5回の看護師が検証|実際に登録して分かった実態
看護師が職場を変えられなくなる理由

噛み合っていないと分かっても、すぐに動ける人ばかりではありません。私自身、動けないまま何年も過ごした時期があります。
知っている不満と、分からない不安を比べている
動けない理由は、いまの職場が良いからとは限りません。むしろ、次が分からないことの方が大きいと思います。
今の職場の悪いところは、もう全部知っています。どの人が苦手か、何が理不尽か、どこまで我慢できるか。分かっているものは、耐えられます。
一方で、次の職場のことは何も分かりません。人間関係も、雰囲気も、実際に行ってみるまで分からない。分からないものは、想像で怖くなります。
知っている不満と、分からない不安を比べると、多くの人は知っている方を選びます。私も長い間そうしていました。
今の職場に不満があるのに、どうして動けないんでしょう。

不満は全部知っていても、次の職場のことは分からないからです。分かっているものは耐えられて、分からないものは想像で怖くなります。

私の場合は、一度辞めた職場に戻った経緯もあり、次に辞めたらもう戻る場所はないと思っていました。
不満だけでは、人は動かない
私が動けなかった時期にも、不満はありました。給料が上がらないこと、業務内容が自分に合わなくなってきたこと、上司との関係。数え上げればいくつもありました。
それでも動きませんでした。不満があること自体は、動く理由にならなかったからです。
振り返ると、動けなかった時期に足りなかったのは我慢する力ではなく、その先を想像することでした。今の不満を並べても、それは今の話にしかなりません。
動いたきっかけは、将来の後悔を想像したとき
最後に動いたときは、いくつかの理由が重なっていました。
ひとつは、理不尽な扱いを受けたことです。この職場は自分を大切にしないのだとはっきり感じました。
もうひとつは、稼ぎたい、新しいことに挑戦したいという気持ちが出てきたことです。不満から逃げたいのではなく、別のものが欲しくなっていました。
ただ、決め手になったのは別のところにあります。このまま働き続けたら、将来の自分は後悔する。そう強く感じたことでした。
我慢すべきかどうかを、いまの状態だけで判断するのは難しいと思います。今日耐えられるなら、明日も耐えられてしまう。そうやって年単位の時間が過ぎます。
考えてほしいのは、このまま今の職場に残って、将来の自分が後悔しないかどうかです。
転職して後悔することもあります。私自身、短期間で辞めた職場があります。一方で、動かずにいて後悔することもあります。どちらにも後悔の可能性はあります。
だから、どちらが正しいという話ではありません。自分の価値観に照らして、どちらの後悔なら引き受けられるかだと思います。残って後悔するリスクと、動いて後悔するリスク。取れる方を取ればいい。
自分の人生に責任を取れるのは、自分しかいません。
看護師が評価されない状況で、変えられるもの

価値観も上司も自分では変えられない
ここまで書いてきたことをまとめます。
評価は、その職場が何を評価するかという価値観と、直属の上司との相性で決まります。そして、そのどちらも自分では変えられません。
職場の価値観は、長い時間をかけて出来上がったものです。一人が働き方を変えたところで動きません。上司の考え方も同じです。合わない人と、働きかけによって合うようになることは、あまりありません。
変えられるのは、どこに身を置くか
変えられるものは、ひとつだけです。自分がどこにいるかです。
いま評価されていないとしても、それは能力の問題とは限りません。評価軸と自分の強みが噛み合っていないだけかもしれない。だとすれば、噛み合う場所に移れば、同じ働き方のまま扱いが変わることがあります。
私の場合は、実績を掘られず、経験年数を割り引かれた職場で、それでも条件が上がりました。自分が変わったからではありません。求められている場所に行っただけです。
異動から転職まで、選択肢には幅がある
場所を変えるといっても、いきなり辞める必要はありません。
同じ病院の中でも、部署が違えば上司が変わり、評価軸も変わります。異動の希望を出すことは、転職よりずっと小さな一歩です。それで状況が変わることもあります。
異動でも、状況は変わるものですか。

部署が違えば、上司も評価軸も変わります。それで状況が変わることもあります。

それでも変わらないなら、外を見る段階になります。ただ、その判断をするにも、外の状況を知らないと比べようがありません。
すぐに動く必要はありません。ただ、いま自分がどう見られているかは、外に出てみないと分かりません。私が実際にサービスを使ったときの記録は、別の記事にまとめています。
ジョブメドレーの評判を転職5回の看護師が検証|10社応募4社内定の実体験
