一度辞めた職場に戻る選択——出戻り転職の実体験とリアルな判断基準
私には出戻り転職の経験があります。
精神科病院に4年間勤め、転職。しかしその転職が失敗に終わり、元いた精神科病院に戻り、そこから8年間勤務しました。
出戻り転職を経験した立場から、メリット・デメリット・判断基準を正直にお伝えします。
出戻り転職のメリット
環境と人間関係が予測できる
出戻り転職の最大のメリットは、どんな仕事をするのか、どんな人がいるのかが事前にわかっていることです。
収入面も人間関係も予想しやすい。これは大きなアドバンテージです。
私自身、転職失敗直後はメンタルも家計もボロボロでした。とにかく安定したかった。そういう意味で、出戻り転職は安定を取り戻す手段として機能しました。
人間関係の構築コストがかからない
全く知らない職場に「はじめまして」で飛び込む場合、1から人間関係を構築する気疲れがあります。出戻り転職にはそれがありません。
知り合いが多い環境でスタートできるため、心に余裕が生まれやすいです。
出戻り転職のデメリット
「一度辞めたくせに」という冷たい目線がある
1回退職しているという事実は消えません。戻ってきたことに対してネガティブな感情をぶつけてくる人は、ゼロではありません。
「どんな顔して戻ってきたのか」という空気を出す人は現実にいます。
これを許容できるかどうかが、出戻りを選ぶかどうかの分岐点になります。
ただし、温かく迎えてくれる人も必ずいます。冷たい目線だけがあるわけではありません。
出戻り転職の判断基準:辞めた原因が解消されているか
出戻りを考えるとき、最も重要な問いはこれです。
「辞めた原因は解消されているか」
辞めた理由というのは、退職を決断するほどの不満があったわけです。その不満が解消されているかどうかを冷静に確認することが必要です。
解消されている例としては、以下のようなケースが考えられます。
- やりたくない業務がなくなった
- 問題だった人物が異動・退職した
- 収入条件が改善された
- より良い待遇で迎え入れてもらえる
逆に辞めた原因が解消されていないなら、同じ不満が継続することはほぼ確定しています。退職を決断するほどの不満だったのですから、その不満が残っていれば、また同じ理由で辞めることになります。
私が出戻りしてもまた辞めた理由
正直に話します。
私が最初に精神科病院を辞めた理由のひとつは、慢性期の患者さんの対応に疲弊していたことでした。20年・30年と長期入院している患者さんへの対応が、自分には辛かった。
出戻り後、私は急性期病棟にいる時期はまだ良かったのですが、慢性期病棟に配属されている時間が長くなるにつれ、やはり同じ辛さが戻ってきました。
結局、辞めた原因のひとつは変わっていなかったのです。精神科の慢性期病棟という環境そのものは変わりません。8年間勤務しましたが、最終的にまた退職することになりました。
精神科慢性期について補足
ここで誤解のないように付け加えておきます。
これはあくまで私個人の適性の話です。精神科慢性期の看護を否定しているわけではまったくありません。
慢性期の患者さんに長期にわたり寄り添い、その方の生活を支えることに深いやりがいを感じている看護師は大勢います。私にはその適性がなかった、ということです。
自分の適性と職場環境の相性は、転職先を選ぶうえで非常に重要な視点です。
出戻りより新しい場所へのチャレンジをお勧めする理由
出戻り転職が悪いとは思いません。私自身、出戻りの8年間で貴重な経験を多く積めました。それは間違いなく良かったことです。
ただ個人的には、状況が許すなら新しい場所でのチャレンジをお勧めします。
看護師という資格は、病院・クリニック・訪問看護・施設など非常に多くの職場で活かせます。1つの場所にとらわれる必要はありません。新しい環境で自分の価値観を整理し、セーフティネットを作りながら働くという選択肢は、十分に現実的です。
出戻りか新しい場所か——どちらが正解かは人それぞれです。ただ判断するなら、辞めた原因が解消されているかどうかを軸に考えてください。
まとめ
- 出戻り転職のメリットは「環境・人間関係・収入が予測できる」安定感
- デメリットは「一度辞めた」という冷たい目線が一定数ある
- 判断基準は「辞めた原因が解消されているかどうか」
- 解消されていなければ、同じ理由でまた辞めることになる可能性が高い
- 出戻りも選択肢のひとつ。ただし新しい場所へのチャレンジも十分に現実的
出戻りを考えているなら、まず「辞めた理由が変わったか」を自分に問いかけてみてください。
転職の方向性に迷っている方は、無料のキャリア相談を活用してみてください。あなたの状況を整理するところから一緒に考えます。
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